2017年9月定例会 青木永六議員の一般質問
JUGEMテーマ:共産党(日本共産党)
以下は四国中央市議会の2017年9月定例会における青木永六議員の一般質問です。
【一般質問テーマ】
1.人権・同和問題の今日的課題
1)「部落差別の解消の推進に関する法律」の受け止め方について
2)新法で努力が求められている「相談体制の充実」「教育及び啓発」「部落差別の実態に係る調査」についての見解を問う
3)人権対策協議会補助金(1,980万円)・3億円近い住宅新築資金滞納整理に見られる特別扱いをなくすことを求める
2.中核病院建設地問題について
1)基本協定書とその後の経過は、建設地は三島・川之江インター周辺ではない
2)インター周辺の建設は、自然災害・街づくりからも問題あり
3)あくまで三島地域に適地を求める
3.選挙公報の実施を求める
1)当市の選挙公営化の経過と最近の市議会議員、市長選挙の公費負担の現状
2)選挙公営化拡充と共に求められる候補者選択の情報提供について
3)選挙公報の全国・愛媛県下の発行状況と、実施上の問題点について尋ねます
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1.人権・同和問題の今日的課題
1)「部落差別の解消の推進に関する法律」の受け止め方について
青木永六議員
本議会最後の質問をさせていただきます。日本共産党の青木永六でございます。どうかよろしくお願いをいたします。
最初に,国連安全保障理事会は,御案内のように,6回目の核実験を実施をした北朝鮮に対する石油輸出量の上限を設けるなど,追加の制裁決議案を全会一致で採択をしました。問題の対話を通じた解決,緊張緩和のさらなる取り組みも強調をされています。
北朝鮮の行為が許せないからといって軍事衝突に至ることは一番危険なことであります。万一軍事衝突ということになれば,日本と韓国がおびただしい犠牲を伴う被害を受けることになってしまいます。
今アメリカと北朝鮮の間に誤算や偶発的なきっかけによって軍事衝突が起こる危険が現実に迫っていることは極めて重大です。米朝間の軍事衝突,戦争を絶対避けるため,アメリカと北朝鮮の直接対話が緊急で切実な課題になっています。
世界の各国が対話,外交による事態の打開を探究している中で,安倍政権だけが今は対話のときではないと繰り返していることは,全く道理がありません。安倍政権は,アメリカに今こそ対話に踏み切るべきだと,憲法9条の精神を生かして言うべきであります。対話を否定して北朝鮮問題を専ら軍拡と憲法改悪に党略的に利用しようとする安倍内閣の態度は,国民の命や安全を守ることに責任を負わず,地域と世界の平和にも逆行する許しがたいものだと言わなければなりません。
日本共産党は,市民と野党の共闘を必ず成功をさせて総選挙で勝ち抜き,国民の願いに応える新しい政治への道を切り開く決意であります。そのことを申し上げまして質問に入らせていただきます。
1つは,人権・同和問題の今日的課題についてであります。
その一つ,昨年10月に部落差別の解消の推進に関する法律ができておるわけですけども,この受けとめ方についてであります。
この法律は,部落差別の解消推進法のための理念法と言いながら,逆に新たな障壁をつくり出し,部落差別を固定化,永久化する重大な危険をはらむものとして各界から指摘をされています。
新法は第1条で,現在もなお部落差別は存在する。情報化の進展に伴って部落差別に関する状況の変化が生じていると強調し,部落差別は許されない,解消することが重要な課題として,14年前に失効した部落問題の特別立法を復活させるものであります。
しかもこれまで法制上使われたことのない部落差別という用語を冠するとともに,これまでの時限立法ではなく,初めての恒久法とされています。
1986年1月27日,自由民主党政務調査会で部落解放同盟の部落解放基本法案に対して部落差別の解消を目的とした法律を基本法として制定することは,その被差別対象地域及び住民を法的に固定させるという極めて重大な政治的・社会的結果を惹起するおそれがあり,我が党が今日まで講じてきた施策に基本的に相反するものでありますとしてきたことを忘れてはなりません。
国会での参考人質疑では,部落解放同盟からは,部落差別はいまだに根深く,厳しい旨の認識が示されましたが,自民党の友誼団体・自由同和会推薦の参考人は,その現状認識は過大評価であり,日本は差別をうまくなくしてきている旨の評価が語られ,全国地域人権総連合からは,従来の部落の枠組みが崩壊し,部落が部落でなくなっている状況であり,国民の多くが日常生活で部落問題に直面することはほとんどなくなったと明確に述べ,部落問題の特別扱いを復活させようとする新法に,立法事実はないことが明らかになっております。
また,肝心の部落差別とは何か,この定義規定もありません。にもかかわらず,この新法が強行をされたのであります。
このような審議状況の中から,参議院法務委員会では,過去の民間運動団体の行き過ぎた言動が部落差別解消を阻害していた要因であることを厳しく指摘し,また国や自治体が行う教育及び啓発や実態調査によって新たな差別を生むことがないようにと強く求める内容の附帯決議がつけられたのであります。
そこで,このような新法や附帯決議についてどう理解をされているのか,お尋ねをするものであります。
同時に,市のホームページには,今もなお差別発言事象やインターネットでの差別を助長するような書き込みなどの許しがたい差別行為が発生していると指摘し,引き続き積極的に取り組むと表明をされています。
ここで指摘する差別事象とは,どういう内容なのか。この3年間の具体的事例と件数などを明らかにしていただきたいと思います。
また,御案内のように,同和差別問題には,合併前,合併後を通じて数十年にわたり十分過ぎるぐらい部落差別の解消に取り組んできたはずであります。これ以上どこをどう強化するのか。私は現在の到達点が地域の差別解消のほぼ峰に到達していると考えておりますけれども,これらの点についての見解を伺うものであります。
総務部長
お答えをいたします。
当法律は,青木永六議員御指摘のとおり,国が現在もなお部落差別が存在するとの認識を示し,部落差別の言葉を初めて法律名に盛り込んだ罰則規定のない理念法であります。
まず,この法律は部落差別の固定化につながるのではとのことでございますが,旧同和対策特別法では,被差別地域を対象に生活環境の改善のため財政支出を伴う事業を行いましたが,本法律では,財政支出に関する規定は設けられておりません。
また,対象地域及び対象者を特定して施策を行うものではなく,国民全体を対象に差別解消の必要性についての理解を深め,差別が発生しない社会意識を醸成させることを目的としていることから,部落差別を固定化するものとは考えておりません。
次に,附帯決議についてでありますが,国会審議の中でさまざまな懸念材料や危惧する点について多くの意見が交わされたことから,これまでの同和行政の経緯や歴史の教訓を踏まえた上で,部落差別解消推進法の適切な運用がなされるよう決議されたものと受けとめております。
続きまして,市内の差別事象についてでございますが,近年学校現場や高齢者施設,企業等の一般社会の中,またインターネット上においても同和問題に関する差別事象が発生をしております。
インターネット上での事象につきましては,ある掲示板に差別を助長するような書き込みがあり,市からサイト管理者へ削除要請を行い,削除に至った事例もあります。具体的な内容につきましては,個人情報やプライバシーまた差別を助長することにつながるおそれもありますので,説明は控えさせていただければと思います。
青木永六議員
答弁漏れあります。差別解消のほぼ峰に達しておる点。
総務部長
お答えをいたします。
旧同和対策特別法により実態的差別の解消は大きな成果を上げ,昔に比べ差別も少なくなってきているとはいえ,まだまだ心理的差別の解消が大きな課題として残っております。
法律の立法事案としての差別の捉え方につきましては,国会審議の中でもさまざまな意見があったようでございまして,私どもといたしましては,過小評価でも過大評価でもなく,今ある現実の部分をしっかりと見ることが重要だと考えております。
この法律成立の背景には,インターネット等の情報化の進展に伴いまして,同和問題に関する状況の変化が生じており,全国的に大きな問題となっていることが上げられます。
具体的に例を申し上げますと,平成23年11月には全国的な本人通知制度の成立のきっかけとなった戸籍を大量に不正取得したプライム事件,また平成28年4月には部落地名総鑑をインターネットで販売するといった事件も発生しております。
また,先ほどお答えいたしましたとおり,市内の身近なところにおきましても,同和問題に関する差別事象が発生している状況でございます。
市といたしましては,人権尊重のまちづくり条例に基づき,さまざまな施策を行っているところであり,今後とも関係機関と連携しながら差別解消に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
青木永六議員
という答弁でございますけれども,1つは,今答弁の中にもございました差別事象の中にインターネットの問題が言われております。これはよく言われている問題でありますけれども,お聞きいたしましたら,当市の場合はこの3年間に二,三件あったというお話でございます。これ全国的な問題で,ちょっと御紹介をいたしましたら,法務省の調査,統計によっても,インターネットによる人権侵犯事件の受理件数は,2006年の256件から2015年には1,869件へと,全体では急増しています。
しかし,そのうち同和問題に関する申し立ては年間7件程度と数件で,極めて少ないんです。というようなことで,当市でも御案内のとおりなんですけども,しかしここでもう一つ考えなければならないのは,ネットの問題でこれは9月7日の愛媛新聞でございますけれども,もう皆さんも御案内のように,ネット問題でアメリカの大統領選挙でも非常に国民的な大問題ですね,御案内のとおり。ロシアからいろいろな攻撃があったのではないかというような悪意を持って捏造されたにせのニュースがソーシャルメディアを介して一気に拡散をすると,そういう時代なのであります。
そういう意味で,私申し上げたいのは,このネット問題は当市でどうこうできるような問題では基本的にはないと。ある意味これ解決は,やはりプロバイダーが削除する,そういう法律をきっちりつくるべきでありまして,国際的に見たらドイツはもう完全に規制をする。日本は非常にこの対策がおくれとるということでございまして,このネット問題の書き込みについての差別事象云々というのは,ここで私は議論をするようなことではないのではないかと,このように思うわけであります。
そこで,もう少し御紹介をしたいんですけれども,私が今質問で申し上げましたように,当市の場合は合併前,合併後,この問題には随分と力を入れてまいりました。これはもう御案内のとおりでございます。
それでは,どういう状態になったら基本的に行政が率先をしてこの問題を特別な対策としてやめて一般行政のほうに入るのかというところのこの解釈の問題が非常に大きい問題だと思うんですけども,そこでこの問題についてどのようにお考えておられるのかお尋ねをしたいと思うんです。
人権施策課長
どういう状態になれば解消かというような御質問でございますけれども,非常に大きなテーマであるというふうに考えておりますが,同和問題を初め高齢者問題,障がい者,さまざまな人権課題がございますけれども,そういった人権課題がどこで解消されるかというその判断も難しいところがございますが,それに向かって行政目的として取り組んでいくのが行政としての務めだというふうに考えております。
青木永六議員
というようなことで,これはかなり長期的な立場で考えられとるということなんですけども,ここで御紹介したいのは,兵庫県の高砂市では,次のような啓発を続けているということで注目をされております。
読み上げます。皆さんは同和問題が解決した社会をどのように捉えておられますか。どのような時代になろうとも,差別者が一人もいなくなる社会の実現は難しいでしょう。しかし,差別的な言動をする人が出てきても,周りの人々がそれっておかしいのと違うとか,そんな考え方間違っているよと指摘し,差別的な言動が受け入れられない社会になったとき,同和問題は解決したと言えるんではないでしょうか。そして,そうした社会は目前に迫っているように思います。
というように,非常にわかりやすく指摘をされておるんですけども,そこで私は四国中央市はこういうところにほぼ到達をしているんじゃないかと,このように思うわけでございまして,例えば皆さん方が何年かに一度ですか,最近も人権についての市民意識調査の報告書というのが平成27年11月の調査ということで小冊子が配られております。
この中で御紹介をしたいんですけども,34ページの問い23,あなたが最近過去3年間同和問題について身近で見たり聞いたりしたという方にお聞きします。それは次のどのような場合ですか。当てはまるもの全てに丸をつけてくださいとあります。進学,就職,交際,商売関係,結婚,新築,転居,職場とかというて9項目あるわけでございまして,そこへいろいろ丸を入れていただくと。このまとめがこのように書かれております。考察として,同和問題を身近で見たり聞いたりした人の件数。具体的に上がっとるわけですけども,これは前回,前々回より減少しとる。しかしながら,あると答えた人の回答では,交際や結婚の場合と答えた人が多く,身近な問題になったときに顕在化していると考えられます。これらの数字は差別の現実を捉えた数字であり,まだまだ同和問題,差別問題がある厳しい現実が存在していると言えると,このように書かれております。
そこで思いますのは,今申し上げましたように,問いの23に,この3年間で身近で見たり聞いたりしたという方にお聞きしますというて丸を書いていただいているんです。例えば交際関係だったら,平成27年137,平成22年275,平成17年275と,このようになっておるわけですけども,そこで私言いたいのは,これは差別問題ではないと。書いとるとおり,身近で見たり聞いたりしたという方に丸を入れてもらった。この数もずっと減ってきとる。でするんですけども,考察のまとめのところでは,身近な問題になったときに顕在化していると考える,差別がね。これらの数字は差別の現実を捉えた数字であり,厳しい現実が存在していると言えると,こう言うとる。これは私は,この見たり聞いたりした人たちに丸を入れてもらうと。短絡的にこのことが差別に結びつけられていると,そういうふうに考えられるわけであります。
そういう意味で,私は差別の厳しい現実,これは今申し上げたように,一方的に断定をする,決めつけとるというふうに言わなければなりません。
そのように見てまいりますと,何かどうでも差別に結びつけたいという意図さえあるのではないかと感じざるを得ないわけであります。
そのような状況がありますし,この点では,今私御紹介しましたように,聞き取りのときにお伺いしたのでは,差別事象としては,ある学校で1件,連絡ノートに子供さんが書いておったと,何かね。具体的に言ってもらえませんけども,それでインターネットが二,三件と。
議長
青木永六議員,質問は簡潔にお願いします。
青木永六議員
さらに御紹介をしたいんですけども,問いの22,あなたは地域や職場,家庭で差別的な発言を聞いたときどのような言動をとりますかと。平成27年は,正しく話をする10.4%,自分の知識の範囲内で話をする58%,約70%の人たちがこのように,そこまで書いておりませんけども,そんなことはだめよということを,言ってみたら話しますと。そういうところに来ていると。
ですから,私は今回のこのような新法ができたからといって,改めてさらにこれらのことについて啓発や教育を強めなければならないというような根拠は一つもないと,このように思うわけでございますけども,その点どのようにお考えておられますか,答弁いただきたいと思います。
総務部長
それと,心理的差別も残っとるような現状でございますので,当市の人権条例に沿った施策を引き続いて実施していきたいと思っております。
青木永六議員
なかなか青木永六議員の言うとおりですとは言ってもらえませんですけれども,答弁の中にもありますように,心理的差別だと。差別と,心理的という枕言葉つくのは全然違うんです。これはそういう意味で,言ってみたら一人一人の心の中に踏み込んだ,しかも心理的差別というのは,私今調査で申し上げましたように,こういう調査ですから,これでもって心理的差別があるとは,このような断定をされたんでは困ると思いますけど,そういう意味で大いにこれからの行政,私の今の主張について御検討をいただきたいと。そのことをお願いをして次に進みます。
2)新法で努力が求められている「相談体制の充実」「教育及び啓発」「部落差別の実態に係る調査」についての見解を問う
青木永六議員
2番目に,新法で努力が求められている相談体制の充実,教育及び啓発,部落差別の実態に係る調査についての見解を伺うものです。
相談体制は,各地域に隣保館体制をとるなどして十分な対応をしています。
教育及び啓発では,人権教育協議会に550万円の補助金を出し,2017年度総会資料から見るだけで,市内で20回,延べ4,933人の人が参加をし,市外には8回,延べ308人が参加をし,合計28回,延べ5,241人が2016年一年だけでいわゆる教育啓発を受けていると見られます。しかも何十年と繰り返し続けておるわけでありまして,私は特に教師を中心に公務員の皆さんは,定年までにどれだけの教育を受けることになるんだろうかと,このようにも思うわけであります。
飛鷹裕輔議員の質問で,教師の苛酷な勤務実態が明らかにされています。新法でさらに取り組むというようなことではなく,私はもう今こそ教師の皆さん,もっと人権・同和教育から解放をし,少しでも子供たちに向き合える時間を保障すべきだと,このように思うわけでございますけども,いかがでございましょうか。
部落差別の実態に係る調査が言われておりますけれども,個人や地域を特定しての調査は不可能だと思いますし,無理にやればそれこそ人権侵害行為で,新たな差別を生むことになります。見解を伺います。
人権施策課長
新法の相談体制,教育及び啓発,差別の実態調査の見解についてお答えをいたします。
まず,相談体制についてでございますが,法務局では,職員や人権擁護委員による人権相談が行われております。市においては,隣保館職員及び人権施策課職員が相談に対応をしております。これまでもさまざまな人権相談に取り組んでおりますが,相談体制の充実は重要であり,相談しやすい環境づくりに努めたいと考えております。
次に,教育・啓発についてでございますが,これまでの人権同和教育の成果や視点を継承するとともに,四国中央市人権・同和教育基本方針にある差別の現実から深く学ぶという原則に立ち,同和問題を初めとするさまざまな人権問題の解決を目指し取り組んでいるところであります。
人権同和教育に関する研修等につきましては,学校とも十分協議を行った上で事業を進めておりますが,学校現場の状況をしっかりと把握しながら連携した取り組みを継続してまいりたいと考えております。
次に,部落差別の実態に係る調査についてでございますが,差別解消のための施策を実施するための調査であります。法務省においてどのような調査を実施すべきか,前段階の調査を行っているところであります。
先般,法務省から同和問題についての調査に関する照会がありました。当市が5年ごとに実施している市民意識調査について回答をしたところでございます。
法律で言う調査,これは差別の実態調査であり,新たな差別を生むようなことがないようにと附帯決議もなされていることから,対象地域や対象者を特定し,あるいは地域の生活実態の調査等を行うものではないと受けとめております。
この法律の具体的な取り組みにつきましては,現在国において施策の検討が進められていると聞いております。今後国や県の動向を注視しながら引き続き取り組みを進めてまいりたいと考えております。
青木永六議員
時間がございませんので,さきに今私申し上げましたような点もぜひ注意をしていただいて取り組んでいただきたいと思います。
3)人権対策協議会補助金(1,980万円)・3億円近い住宅新築資金滞納整理に見られる特別扱いをなくすことを求める
青木永六議員
3つ目の問題に入ります。人権対策協議会の補助金1,980万円,3億円近い住宅新築資金の滞納整理に見られる特別扱いをなくすことを求める。この問題です。
これまでも再三指摘をしてまいりましたけども,1,980万円のほぼ全額が税金より支出されている人権対策協議会補助金の使われ方の一つに,各種行事の参加者に対する旅費・日当があります。市民的批判の中,減額をされているようでありますが,聞くところでは,市の旅費規程程度ということでありまして,それでも宿泊を要するような場合は1日1万5,000円から2万円程度は支給されているようであります。
市内にも,御案内のように多くの各種団体が存在をし,運動を展開をしております。どこの団体も税金の補助金で旅費・日当が支給されている団体はありません。これを廃止するだけでも大幅な補助金の減額が可能であります。特別扱いをなくすことを求めるものであります。
また,ことし6月現在での滞納額が約2億8,000万円となる住宅新築資金の貸し付けは,数年前より法的整備が導入をされていますが,これに踏み切るのが遅くなり,借りた本人が死亡したり,連帯保証人が亡くなったり,このようなことでまた本人の高齢化などで回収が非常に困難になっている事例が目立ちます。これらは明らかに特別扱いをした結果の事態であります。これらの特別扱いを廃止をする必要があります。見解を求めます。
副市長
お答えいたします。
人権対策協議会は,人権尊重のまちづくり条例の制定趣旨に基づいて,あらゆる差別の解消に向けたさまざまな活動あるいは取り組みを行っておりまして,同協議会への補助金はそうした活動に対する必要な経費として交付しているものでございます。
それと,住宅新築資金の滞納整理業務についてのお尋ねありましたけども,このことについては青木永六議員も十分認識されておると思いますけども,これまでも顧問弁護士との協議を経て,本人はもとより連帯保証人あるいは相続人への請求,あるいは事案によっては法的措置を行ってその回収に努めているところでございまして,今後も引き続き公平公正に鋭意回収に努めてまいりたいと,このように考えております。
青木永六議員
差別をなくすのが目的でございますから,ぜひ特別扱いはなくして公平平等にしていくということをさらに要求をいたしまして次の質問に入ります。中核病院建設問題についてであります。
教育長
申しわけございません。次の質問に移る前に,先ほど青木永六議員,学校での人権同和教育についてのお話がございました。学校の先生大変な中で,まだまだこれからも続けていくんかというような,そういうふうな御質問でございましたけれども,やはり学校での人権同和教育は自分を大切に思う心,同じように人も大切にしていかなければならない,そういうふうな子供を育てていくためにやはりこれからも必要だというふうに捉えております。
そういうことで,これからも学校での人権同和教育は続けてまいりたいと考えております。
青木永六議員
今の教育長の答弁につきましては,これは当然人を大切にするとか,当然のことでございますけれども,これらは私たちの主張として,現在の憲法を中心に据えて,御案内のように,憲法というのは人を公平に平等に差別を撤廃をしていく,そういうことにつながっていく,そういうしっかりとした今の国のあり方について私たちは憲法教育をすることによってそういうことが実現をしていくということを提案しているところでございます。今教育長の答弁,実際にその程度だけで終わっているようなことであればいいかと思うんですけども,我々中身についてもう一つ深く内容を理解しておりませんので,また今後の議論にしたいと思います。
2.中核病院建設地問題について
1)基本協定書とその後の経過は、建設地は三島・川之江インター周辺ではない
青木永六議員
それでは,中核病院の建設問題についてであります。
6月議会での建設地は三島川之江インターチェンジ付近が最適地ととれる篠原市長の答弁に,多くの市民が驚きの声を上げています。
1つは,基本協定書とその後の経過は,建設地は三島川之江インターチェンジ周辺ではございません。公立学校共済組合側の譲り受ける際の提案は,県立三島病院,今の三島医療センター,この跡地に移転新築をするでございました。そして,移譲協定書は,三島地区に建築を目指すとなっています。
その後の議会答弁などもこれらも踏まえ,現三島医療センターから遠く離れた地域は想定をされていないことは明らかだと思います。これは,県立三島病院が主として三島・土居地域住民の命と健康を守ってきた役割の継承や合併後の四国中央市全体のまちづくりをも当然考慮したものであると考えます。
6月市会,篠原市長答弁は,2次の病院が市の東にある。移転するときは,今のインターチェンジのとこら辺へ持ってくれば市民にとっては非常にいいことだろうと申し上げた。また,これは非常にお金の問題もある。交通の便もある。経営の問題もある。そしてお医者さんの交通の問題もある。あらゆるものが関係をしますからということで,三島川之江インターチェンジ周辺にという答弁をしておるわけでございます。初めて三島川之江インターチェンジ周辺が建設地の適地であるとの認識を示されたわけであります。
これまでの経緯を私は無視をしたかのような極めて唐突な発言でありますが,これはどこか公式な場所で議論,検討をされたものでございましょうか。それとも篠原市長が一存の発言でございましょうか。答弁を求めたいと思います。
市民部長
お答えいたします。
議員御案内のとおり,中核病院の建設用地の選定をめぐりましては,これまでにもお答え申し上げてまいりましたが,公立学校共済組合におきまして,東日本大震災を経て液状化等の問題が出てきたことから,三島医療センター以外での建設についても検討が必要とされ,他の候補地につきましても検討を始めたところでございましたが,経営悪化に転じたことに伴い,経営改善を最優先するとされたことから,候補地選定につきましても白紙となり,現在に至っているところでございます。
市といたしましては,協定書に三島地区での中核病院の再建築を目指す旨明記されておりますことから,この点に十分配慮しながら検討していく必要があるものと考えております。
青木永六議員
どうでございましょうか。今申し上げましたように,公立学校共済組合が譲り受ける際の提案は,今の三島医療センターの跡地につくりますということだったわけです。移譲協定書は三島地区に建築を目指す。説明したとおりです。
そういう意味で,これはこの協定書というのは,最大限尊重をされるべきである。市民に対する公約でもあるわけでございますから,その点しっかりと尊重をしていただいてやっていただけるというふうに理解をしてよろしいでしょうか,答弁求めます。
市民部長
先ほど申し上げましたとおり,協定書につきましては当然尊重すべきものと考えております。
なお,公立学校共済組合本部に対しましても,この点確認をいたしましたが,現在のところ白紙ということで,今後さまざまな資料等を検討しながら検討していくというふうなお答えをいただいているところでございます。
2)インター周辺の建設は、自然災害・街づくりからも問題あり
青木永六議員
時間の関係で先に進みます。
2点目の問題です。インターチェンジ周辺の建設は,自然災害,まちづくり上からも問題ありという点についてであります。
最近,小原朝彦生協宇摩診療所の所長が,中核病院建設問題を,市内の断層や地層など防災上のあらゆるデータを克明に調べて提言をされています。この内容からの問題でございます。
1つは,このインターチェンジ周辺といういいますのは,高速松山自動車直下に中央構造線が走っており,阪神・淡路大震災に見られた大地震での高速道路の決壊が想定をされ,大被害が予測をされるという問題であります。
2点目に,HITO病院や現在の四国中央病院ともに液状化,建物倒壊をする沖積低地の金生川周辺にあり,危険であること。
さらにまた,万一の場合,病院が総崩れになる危険と,病院が健在でも,市の西部に住む市民は救済困難となるというようなおそれがあります。これが2点目。
3点目には,御案内のように,日常的にも市の西部の市民には遠過ぎて極めて利用困難であり,総合病院が市の東に偏り,均衡のとれたまちづくりにならない。このような多角的な視点から,インターチェンジ周辺の建設は問題が多過ぎると言わなければならないと思います。
そういう意味で,このような科学的知見も取り入れていただいて,さらに御検討をいただきたいと思うわけであります。
また,これらの問題については,これは何といっても愛媛県に応分の負担,これを求める,要請をすることが大変重要だと,このように思うわけで,これまでも何回か答弁をいただいておりますけれども,改めて見解を求める次第です。どうかよろしくお願いをいたします。
市民部長
お答えをいたします。
議員御案内のとおり,法皇山脈北側の裾野には,東西に中央構造線が通っており,池田断層,寒川断層,畑野断層の3つの活断層がございます。
この活断層での地震は数千年に一度起こるとされており,あの阪神・淡路大震災や熊本地震も活断層の活動が活発化したことにより発生したものでございます。
また,愛媛県地震被害想定調査における液状化危険度の想定におきましても,議員先ほど申されましたとおり,金生川や関川流域の沖積低地や瀬戸内沿岸の埋立地等が南海地震や東予地域の活断層の地震において大変危険度が高くなっている状況でございます。
このほかにも洪水浸水想定区域や災害危険区域として指定されております急傾斜地崩壊危険箇所,土石流危険区域,地すべり危険箇所等がございます。
市といたしましては,中核病院建設用地の選定に際しまして,これらの自然災害とその対策等に関する情報提供をしっかりと行い,こうした状況を踏まえた中で建設用地の候補地の検討を行っていく必要があるものと考えております。
青木永六議員
ぜひよろしくお願いしたいと思います。
3)あくまで三島地域に適地を求める
青木永六議員
この項の3点目でございますけども,あくまで三島地域に適地を求めるということで,三島地域での適地確保,これはなかなか難しい問題がありますけれども,どうしても困難な場合は,現在の三島医療センター周辺の液状化防止工事を行って建設をするということを提案をしたいと思うんです。
これは,神戸ポートアイランド南部の埋立地に理化学研究所,神戸市立医療センター,先端医療センターがありますが,地盤改良がされたところでは,大震災でも液状化は見られず,改良効果は十分であったとの結論が出されています。
さらにまた,香川県の中央病院は,2011年3月5日起工式の6日後に東日本大震災が発生をし,工事中断後,20億円の費用を伴った液状化対策を追加をし,工事を再開をして2014年3月1日に開院をいたしております。
全国にはこのような事例は相当あるようでございまして,技術は試され済みだということだと思います。場合によっては検討に値すると思われるわけでございますけれども,そういう意味で何といっても県立病院を廃止をした愛媛県に,これらについての財政的な支援も求めていくということも含めてこれらについてのお考えを再度いただきたいと思います。
市民部長
お答えをいたします。
液状化防止工事をした上での建設の御提案でございますけども,液状化防止工事を実施すれば,当然病院本体,建物については問題がなくなるということが考えられますけども,その周辺の道路を初め広範囲におきまして液状化が起これば,まさに新病院が陸の孤島というふうな状況になるおそれもございます。
そうなりますと,災害拠点病院としての役割も果たすことができなくなるということで,そういったことも含めて現在のところ建設場所につきましては白紙ということでございます。
今後経営改善が進んで中核病院建設のための候補地選定の際には,そのほかにも市民の利便性あるいは居住の状況,そして病院の経営環境や経済性,当該圏域の災害拠点病院としての立地条件の適否等,さまざまな角度から検討がなされるものと考えております。
市にとりましても中核病院の早期建設は最も重要な課題の一つでございますので,行政としてでき得る限りの支援をしてまいりたいと考えております。
青木永六議員
この病院建設は市の事業ではございませんので,間接的な関与というようなことになると思いますけども,ぜひ市長を先頭にして頑張っていただいておるところでございますけども,引き続きそのような視点から頑張っていただくと,このようなことをお願いをして3つ目の選挙公報の実施を求める質問に入ります。
3.選挙公報の実施を求める
1)当市の選挙公営化の経過と最近の市議会議員、市長選挙の公費負担の現状
青木永六議員
今全国で政治家の資質が問われる事件が相次いでいます。御案内のとおりです。このような政治家が選ばれる一つの問題として,選挙時に有権者に十分な選択情報が届いていない,こういう問題もあろうかと思うわけであります。
そこで,今回の質問,提案を行うことになったわけでございます。
1つの問題として,当市の選挙公営化の経過,最近の市会議員や市長選挙の公費負担の現状についてであります。
御案内のように,合併前から選挙公営化の拡充がされてまいりました。そういう意味では,非常に立候補がしやすいという状況がつくられてまいりました。そういう点でこれら2つの選挙の項目的な支出額,1人当たりの金額などについて尋ねたいと思います。
選挙管理委員会事務局長
選挙公営化の経過と公費負担の現状についてお答えいたします。
選挙公営化の経過でありますが,平成4年の公職選挙法改正により,選挙用のはがき,自動車,ポスターに関する公費負担制度が実施されたことに伴い,旧の川之江市と伊予三島市が公費負担に関する条例を制定しておりました。
その後,合併後も同様の内容を条例で規定しておりましたが,平成19年の公職選挙法改正により,新たに自治体の首長選挙のビラについても公費負担できるようになり,それを受けて条例改正を行い,現在に至っております。
次に,市政選挙における公費負担の現状についてですが,平成28年11月13日執行の市議会議員選挙では,28人の立候補者に対し総額1,910万円,1人当たり約68万円を公費負担しております。
項目別内訳ですが,ポスターが1,062万円,自動車が634万円,はがきが214万円となっております。
また,平成29年4月23日執行の市長選挙では,2人の立候補者に対し総額で約217万円,1人当たり約108万円余りを公費負担しております。
項目別内訳は,ポスターが71万4,000円,自動車が43万6,000円,はがきが78万円,市長選挙のみ認められているビラですが,そちらのほうが24万円となっております。
2)選挙公営化拡充と共に求められる候補者選択の情報提供について
青木永六議員
ということで,立候補するに当たりましては非常に立候補しやすい状況が今つくられてまいりました。
そこで,2つ目の問題ですけども,このような選挙公営化の拡充とともに求められる候補者選択の情報提供についてであります。
今答弁がございましたように,非常に立候補はしやすくなりましたが,有権者への候補者の経歴や政策,これらの情報提供が大変おくれているという問題であります。
この問題は,有権者の選挙権行使の重要な条件であり,現状は新聞,テレビなど,このようなマスコミに依存をしている状況です。
そこで,選挙管理委員会で責任ある公報の発行が求められるんではないでしょうか。
さきの6月市会で私どもの三好 平議員から,さきの市長選挙時の篠原陣営のビラ1枚の問題が取り上げられておりましたけども,このような問題,あるいは市会議員選挙のときも名刺1枚で選挙をされている方,このような人たちに対して,御本人の経歴あるいは何をしたいのか主張がわからない,こういう批判も起こっていました。そういう意味で,選挙公報実施についての見解を求めたいと思います。
選挙管理委員会委員長
選挙の公営化拡充とともに求められる候補者選択の情報提供について御質問がございましたので,私からお答えを申し上げたいと思います。
現在国政選挙及び知事選挙におきましては,公職選挙法による選挙公報の発行が義務づけられておりますが,その他の地方選挙におきましては,各選挙管理委員会が条例を定めることによりまして発行できるというふうな任意性のものとなっております。
議員御指摘のとおり,政治に関心を高め,少しでも多くの方に選挙に行っていただくためには,有権者に対して公約や政策,また立候補者に関する情報をできるだけきめ細かく提供するということにつきましては,非常に重要なことだと私どもも考えております。
その点で,選挙公報は候補者の政策を比較し,投票の判断をする上で有効な媒体の一つではあると認識をいたしております。
3)選挙公報の全国・愛媛県下の発行状況と、実施上の問題点について
青木永六議員
ということでございまして,3番目に移りたいと思うんですけども,そこでこの選挙公報の全国また県下の発行状況と,あわせて当市が実施をする上での問題点などについて尋ねたいと思います。
選挙管理委員会委員長
選挙公報の発行状況と実施上の問題についてお尋ねがございました。
選挙公報の発行状況についてでありますが,2015年末の総務省の調査では,地方議員選挙で選挙公報の条例を制定しているところは,市と区,特別区ですね,市と区を合わせまして724カ所,町村では全国で410町村というふうになっております。
県下では,愛媛県下20市町のうち,松山,新居浜,西条の3市のみが現時点で制定をしております。
選挙公報は,先ほども申し上げましたように,選挙への関心を高める有効な手段であることは認識をしておりますが,これと同時に,発行に際しましては,新たな経費を必要とするということですとか,それから選挙管理委員会はもちろんでございますが,立候補される方にも公報の原稿をつくる等の時間を要するものでもございます。
市政選挙の場合には,御承知のとおり,国政選挙に比べまして選挙期間が非常に短く,告示から投票日までの間が1週間しかないというふうな短期間であるために,選挙公報の発行と構成,編集,そして配布に関していかに迅速かつ円滑に対応できる体制を確立できるかが非常に大きな課題となってまいります。
また,期日前投票を利用される方が,選挙ごとに年々増加しているという状況が見られる現在,投票までに選挙公報が手元に届いていないと,間に合わないというふうな事態も想定されるわけでございまして,情報提供の公平性を確保できているかという面でも一部の問題点もございます。
選挙公報につきましては,先ほど申し上げましたように,多くの有権者に政策や公約を理解していただくことにおいてその意義を決して否定するものではありません。
しかしながら,発行や配布に関する課題解決や実効性の見地から,いま一度慎重に検討する余地があるものと考えております。
青木永六議員
事は議会制民主主義の根幹の問題でございますので,ぜひ前向きに御検討いただきますこと,お願いをいたしまして私の質問を終わります。ありがとうございました。
- 2017.10.10 Tuesday
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